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【噴火】と【爆発】の違いとは?

2017.09.15

こんにちは!ジオコラムの時間です。

170908 (1)(写真提供:植村恭子)

最近桜島が活発ですね!

桜島がモクモクと噴煙を上げたとき、皆さんはなんと言いますか?

「噴火した」という方もいれば「爆発した」という方もいるのではと思います。

普段何気なく使っている “噴火” と “爆発” 。その違いをご存知ですか?
実は、気象庁はこの二つの言葉を明確に区別して使っています。

 

■【噴火】とは?

まず、気象庁では噴火を次のように定義しています。

ー火山現象として、火口外へ固形物(火山灰、岩塊等)を放出または溶岩を流出する現象

 

しかし、噴火の規模はさまざまなため、気象庁ではある一定以上の規模の噴火を記録しています。

噴火の規模については、大規模なものから小規模なものまで様々であるが、 固形物が噴出場所から水平若しくは垂直距離概ね 100~300m の範囲を超すものを噴火として記録する。

 

要約すると、100~300mを超える噴煙があがる噴火を「噴火」と記録するということです。

 

■桜島の【噴火】とは?

しかし、桜島は特に活発な火山です。
100m~300mの噴火をすべて数えることは難しいことから、以下のふたつを「噴火」として記録しています。

 

 1)爆発的噴火

 2)噴煙量階級3* 以上の有色噴煙を伴う噴火
  * 気象庁では噴煙量を噴煙の高さと幅から1~6の階級に分けて観測しています。噴煙量階級3以上の噴煙は、高さが概ね 1000m以上の噴煙に相当します。

 

ほかの山では100~300mを超える噴煙が上がれば記録するのですが、桜島では約1000m以上噴煙が上がらないものは、噴火と数えないのです。さすが桜島といったところでしょうか・・・。

ここで、「爆発的噴火」という言葉が出てきました。次はこちらをご紹介しますね。

 

■【爆発的噴火】とは?

爆発とは、爆発的噴火の略。気象庁では、桜島における爆発的噴火を次のように定義しています。

ー爆発地震を伴い、爆発音または体感空振または噴石の火口外への飛散を観測、または鹿児島地方気象台の空振計で3Pa 以上、あるいは桜島島内の空振計のいずれかで 10Pa 以上の空振を観測した場合に爆発的噴火とする。ただし、上記の条件を満たした場合でも噴煙に特に変化が見られない場合には噴火としない。


補足
・Pa(パスカル)は圧力の単位です。
・桜島島内には、「横山観測点」、「瀬戸観測点」、「あみだ川観測点」の3カ所に気象庁の空振計が設置されています。桜島島内の観測点の詳細については、気象庁Webサイト「桜島 観測点配置図」をご覧ください。
・「噴石の火口外への飛散」の詳細:南岳山頂火口では噴石が少しでも火口外へ飛散した場合、昭和火口では噴石が火口から水平距離概ね500m以上飛散した場合。

 

む、難しい・・。

まとめると、噴火の際に【★】と【☆の中からひとつ】が発生すると「爆発的噴火」となるわけです。

  ★爆発地震(人が感じるようなものではありません。)

  ☆爆発音(ドンという大きな音。)

  ☆基準を超える空振(衝撃波のことです。大きいと窓が揺れることがあります。)

  ☆火口外への噴石の飛散

 

■まとめ

桜島での噴火と爆発(爆発的噴火)の記録について

■気象庁が記録を残す桜島の噴火は、【爆発的噴火】と【噴煙が概ね1000m以上あがった噴火】の2種

■【爆発的噴火】とは、爆発地震に加えて、爆発音・空振・噴石の飛散のうちどれかが観測された噴火のこと。

 

ちなみに、9月15日9時現在、桜島の噴火回数は312回、そのうち爆発的噴火は70回です。

 

■もっと詳しく知りたい方は・・・

今回は、気象庁の「噴火の記録基準について」などを参考に、一部を省略しながら簡単な言葉でご紹介しました。
もっと詳しく知りたい方は、気象庁「噴火の記録基準について」をご覧くださいね。

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